Let’s stady English  中年えっちらおっちら編【「一億人の英文法」】 

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今日がいちばん若い日。はじめるにおそいことはない。(と、思いたい)

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通勤時間は無駄だ。

有能なインフルエンサーたちは口をそろえて言う。
満員電車に乗って一時間も揺られて会社に行くなんて愚か者のすることだ。

ならば、長いときは往復3時間かかる車通勤している私は、愚か者のさらに上を行く、
・・なんだろう愚者プレミアムとかだろうか。

しかし、そうはいっても長い通勤時間も無駄だとばかりは言えない面もある。
とくに私にとってはメリットがあった。

それは何かといえば、誘惑の多い家にいれば絶対にやる気が起きないことを、車の中という軟禁状態に追い込まれることによって強制的にやる気が出てくる事柄があることだ。

「勉強」である。

テレビも見れない、スマホも見れない、本も読めない。
かといってとゴロリと横になって眠ることもできない。
目は常に前後左右に注意を向けていなければならず、体はシートベルトで拘束状態。

自由になるのは耳と口だけ、という状態の中、できることといえば音楽を聴くか、語学学習をするかくらいである。

音楽も毎日3時間も聴いていれば飽きてくる。残る選択肢は語学学習しかない。

コロナ前までは、地方のさらに郊外の書店にも、英語での会話を必要とするお客様が増えてきていた。

英語で接客ができる。それにはちょっと憧れる。それにこの先、英語に強くなって損をすることはないだろう。
それなら語学学習でもするか、ということで通勤時間は英語の勉強にあてることにした。

しかし、思い返してみれば私は学生のころ英語との相性が悪かった。

じゃあ、ほかに相性のいい教科があったのかと言われれば、記憶力を必要としない教科なのだが、
まあそんな教科はなかったので、勉学全般と相性が悪かったわけだが、英語は特に苦手意識があった。

なぜなら、中学3年の時に友人と一緒に英検3級を受けたとき、自分だけ落ちたという経験があるからだ。

それ以降、英語というものはこの世には存在するけど、私の人生には存在しないものとなった。
そして特に困ることもなかった。

標準語と方言の切り替えに関しては、相手に合わせて無意識に切り替えができるという得意技のあるわたし。
地方特化型バイリンガル。田舎で生きていくにはそれだけで十分だった。

だが、もう中年の域に入ってから、ふと英語の勉強しようかな・・と思ったときに、なぜか今までの人生で持ったことのないある感情が沸き起こってきた。

「やる気」である。

人生で一度くらい自分の過去の記憶の、数あるみじめな記憶の中の一つに雪辱を果たしてやってもいいじゃないか、という気持ちになってきたのだ。
「英検3級に落ちたわたし」を後生大事に抱えている必要はない!という
負けん気。
ガッツ。

なんで、いまごろ。

小さいころから運動会のかけっこでスタートした途端、人に先を譲ってから走る、という性格だったため、いつも親に「なにくそ!とか、負けたくない!とかいう気持ちがないからダメなんだ!」と怒られていた自分。

その性格が勉強にも発揮されて負けを選び続けて生きてきた自分。
それなのに、人生ももう後半戦というところになっての突然のやる気。
この、なんとも無駄な感じ。

ちりも積もれば英語となる。 英検受験にトライ。

だがしかし、おばちゃんはかんばりました。

毎日毎日、ぼくらはてっぱんの・・・・じゃなくて、車の中でNHKのラジオを聞き、CDを買って単語を覚える。
一日一時間以上のリスニングが週5日。

3個覚えて2個忘れる
という幸せのマーチのような記憶力に耐えながら

ときには3個覚えて3個とも忘れる
という絶望的な己の記憶力と闘いながら

英語を聞き流す日々。

忘れることは多くても、それでも少しづつ知識は蓄積されていく。

2~3年もたつと、もしかして、これは英検を受けても大丈夫なんじゃないか、というところまでやってきた。

雪辱を果たすなら落ちた級ではなくその一つ上を狙わなければつまらない。
準2級を受けることを決意する。

生来の記憶力のなさのせいなのか、年のせいなのか、準2級を受けるまでに2~3年もかかっているのだから、受験にもビジネスにも役には立たない亀のスピードではあるけれども、
〝ちりつも〟で獲得したささやかな知識を携えて、とにもかくにも英検会場へと向かうこととなった。

試験の日。
準2級の筆記試験の会場の中は、たくさんの高校生と、まあまあの中学生、そして小学生でひしめいている。

・・・小学生!?

君まだ三年生くらいだよね?!今どきの子はもう、小学生で英検準2級とか受けるの!?すごいね?!

驚きの中、明らかに中年は私一人、といういたたまれない状況の中で筆記試験を受ける。
子供たちの中に保護者が一人混じってる感じ?(泣)

事前説明の

途中でトイレ退場した場合は再入場はできません

という部分に敏感に反応したのも、おそらく私だけであろう。
頻尿系受験生として緊張がはしる。

子供たちはこれから受ける試験に集中しているため、おばさんのことなど気にも留めない。

(このおばさん、何のために準2級なんか受けるんだろう。何に必要なの?)などという目を向けてきたりはしない。
そう思っているのは私だけだ(泣)。

英検の試験は休日の高校の教室で行われた。

何十年ぶりの学校の机。
始まるまでの間(机の上に英単語とかラグ書きしてないかしら)とか(壁に何か英語のポスター張ってないかな~)など不謹慎なことを考えてキョロキョロしているおばさんがいる中、
子供たちは最後の単語や過去問のチェックをしている。
(みんな、がんばれ~)なんて心の中で念を飛ばしたりして。
おまえががんばれ。

そして試験は始まった。

英検の筆記試験は4択問題、長文読解、筆記で構成されている。
4択問題はひたすら単語の知識が必要。

それが終わり長文読解へ。
普段読書をしている人だと、こちらのほうが解きやすいかもしれない。
途中わからない単語があったとしても、前後の感じでなんとなく意味がつかめるからだ。

日本語での読書しか(当然)していなくても効果があることがわかって、読書はやはりしておくものだと思った次第。

最後の筆記に関しては最初から点数は取れない前提で臨んでいるので大丈夫。
なぜなら車の中でのリスニングオンリーという特化型勉強法を採用していた私
。筆記の練習は全くしていない(泣)。

なので、なるべく試験問題の中にある単語を利用する形で文章を作るようにする。
そうすると該当単語を確認しながら書くことができるので、スペルミスでのマイナスをちょびっとは無くすことができるのだ。
裏技(?)公開。このせこいやりかたで、意外と点をとれました(笑)。

そういうことをできるくらいには、けっこう余裕のある試験時間がとられていると思う。

無事に終了。そして合格。一月後に面接に向かうこととなる。

いやあ・・・。

面接・・・。

そっか。


筆記が受かったら面接があるんでしたね。すっかり忘れていました(泣)

【大西泰斗/ポール・マクベイ著「一億人の英文法」】東進ブックス・ナガセ

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英文法の基本を学習するのに活用したのが、NHK語学講座のダジャレ王こと大西先生と、ポール先生の「一億人の英文法」。

むかし、テレビの英会話講座を聞いていた時に、大西先生の

「英語は、右から右から説明する言葉です。」

という言葉で、「あ、そういうことか」とストンと納得がいった瞬間があった。あたりまえのことなのだけれど、それがイメージとして入ってきたことではじめて、英語の文法が理解しやすくなった。

そのように、折に触れて英語のアハ体験をくださる大西先生の代表作。 これ一冊を読み込めば、英文法の基礎はばっちり身につくでしょう。(でしょう、というのはまだ隅々まで全部は読み込めていないからです。がんばりまする。)

単語をイメージとして覚えるために、ひとつひとつにピクトグラムのような絵が付いている。
TOは指し示す矢印のイメージ。ONはくっついているイメージ。atは点。など。

ONは「テーブルの上にのっている」というように、上に何かあるイメージのみで考えてしまうが、天井のLED電球も、壁にくっついている蚊もONなのだそうだ。くっついているから。

そうなんだ。 じゃあ、あの天井に貼りついているヤモリもONしているところなんだね。寝ているときに彼が天井からOUTして私の口にINしないよう願いながら、今日は寝ることとしよう。

続く。